スケールの知識4 ~7音階(ヘプタトニックスケール)~
ヘプタトニックスケールという言葉を聞いたことがありますか?
ヘプタには7という意味があり、トニックは主音のことです。つまりヘプタトニックスケールは、主音を含む7音階のことを表します。
ヘプタトニックスケールを理解しておくと、コードへの理解も深まります。
今回はヘプタトニックスケールの中でも使用難易度の高いスケール、メロディックマイナースケールを見ていきましょう。
メロディックマイナースケールについて
メロディックマイナースケールは、ハーモニックマイナースケールの6番目の音が半音高くなっているスケールです。日本語表記では旋律的短音階と呼ばれます。なぜこのスケールが生まれたのかというと、ハーモニックマイナースケールは6番目と7番目の音が1音半もあいていますね。これだと、メロディーがどこかぎこちない印象になってしまいます。
そこでより美しいメロディーラインを求めて、メロディックマイナースケールが編み出されたというわけです。
ハーモニックマイナースケールとメロディックマイナースケールの違いを見てみましょう。
Cハーモニックマイナースケール:C D Eb F G Ab B(R M2 m3 P4 P5 m6 M7)
Cメロディックマイナースケール:C D Eb F G A B(R M2 m3 P4 P5 M6 M7)
メロディックマイナースケールは、ハーモニックマイナースケールの6番目の音「m6」を半音上に上げて「M6」にすることで出来上がったスケールです。
また、メロディックマイナースケールはメジャースケールと比べ、3番目の音以外は全て同じ並びのスケールになります。
メジャースケールとメロディックマイナースケールの違いを見てみましょう。
Cメジャーースケール:C D E F G A B(R M2 M3 P4 P5 M6 M7)
Cメロディックマイナースケール:C D Eb F G A B(R M2 m3 P4 P5 M6 M7)
メロディックマイナースケールの問題点とは!?
メロディックマイナースケールをRootから順に上昇する際は3番目の音に着いた時にマイナーの響きだと認識できますが、オクターブ上のRootから下降する際はm3にたどり着くまではメジャースケールとの違いがわからないことが問題点としてあげられます。これを解消するためにスケール上昇時はメロディックマイナーを使用し、下降時はナチュラルマイナースケールの使用が採用されることがあります。
以下、全12キーのメロディックマイナースケールの構成音です。ご参考下さい。
Aメロディックマイナースケール:A B C D E F# G#
Eメロディックマイナースケール:F# G G A B C# D#
Bメロディックマイナースケール:B C# D E F# G# A#
F#メロディックマイナースケール:F# G# A B C# D# E#
C#メロディックマイナースケール:C# D# E F# G# A# B#
G#メロディックマイナースケール:G# A# B C# D# E# F##
Dメロディックマイナースケール:D E F G A B C#
Gメロディックマイナースケール:G A Bb C D E F#
Cメロディックマイナースケール:C D Eb F G A B
Fメロディックマイナースケール:F G Ab Bb C D E
Bbメロディックマイナースケール:Bb C Db Eb F G A
Ebメロディックマイナースケール:Eb F Gb Ab Bb C D