エフェクターの知識を学ぼう6(ディレイ)
私が講師を務める横浜のギター教室でも興味を持つ生徒さんが多いのが、音の広がりを作る空間系のエフェクターです。
空間系エフェクターにはいくつかの種類があります。今回はその中でも、入力された音を繰り返し再生することで山びこ効果を再現することができるディレイについてまとめていきます。
空間の広がりや音の厚みを増すことによって、よりプレイの幅を広げたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
デジタルディレイ、アナログディレイの違い
ディレイは、山びこのように音を遅らせて反復させるエフェクターです。ディレイエフェクターには、アナログディレイとデジタルディレイの2種類があります。
アナログディレイはBBD素子を使って音を遅延させており、デジタルディレイは数値変換させて正確に音を遅らせています。そのためアナログディレイは少し大まかで、デジタルディレイは正確な音の遅れが生まれます。
アナログディレイの大きな特徴となっているのが、音の暖かみです。デジタル処理がされておらず、ディレイ音が劣化した状態で出力されますので、音が原音を邪魔することなく柔らかい印象になり、非常になじみやすくなります。
その一方でデジタルディレイは、アナログと比べて非常に音がクリアで正確に繰り返されます。録音した音をデジタル処理して出力するので、ノイズが少なく、弾いた音に非常に近い音になります。
そしてデジタル回路を使用するので、アナログディレイよりディレイタイムが長いタイプのものが多くあります。
エフェクターには、その効果を設定するためのパラメータがあります。それを細かに調整することで、求める音を作り上げることが出来ます。ディレイエフェクターで使用される代表的なパラメータの1つが、ディレイ音の繰り返す回数を決める「Feedback」です。
パーセントで調整する「Feedback」ですが、0%で原音を1回、100%で原音を無限大(音が止まらなくなります)繰り返す設定が可能です。
あくまでパーセントで調整するので、具体的に「何回繰り返す」と言う回数の設定ではないことに注意が必要です。
そして原音とディレイ音のバランスを調整するパラメータのLevelがあります(Mixと呼ばれるものもあります)。一般的に0~100の値で調整出来るようになっており、0にするとディレイ音が出なくなり、100にするとディレイ音のみが出力されます。
そのため、特殊な効果を狙う場合以外は、50以下(原音のほうが音が大きい状態)で設定を行うのが一般的です。
パラメータの設定によって出力される音には大きな違いが出てきますので、試しながら自分の求める音を探していく必要があります。
ディレイエフェクターを使用することによって、音に幅が生まれたり空間の広がりを表現することが出来たりするようになり、プレイ全体のレベルを上げることが出来ます。
ディレイエフェクターは音を遅らせる仕組みの違いによって、デジタルディレイとアナログディレイの2種類に分けられます。
この2つはディレイ音やディレイタイムなどに大きな違いがありますが、どちらが良いというものではありません。
ギタリストそれぞれに求めるものは違いますので、ニーズにあったものを見つけることが重要です。
そして同じエフェクターであってもパラメータの調整によって作り出すことが出来る音は変わってきます。試しながら調整していくことで、自分の求めるディレイ音を見つけてみましょう。
演奏レベルの向上にも一役買うエフェクトテクニックのスキルアップのためにも、ぜひ挑戦してみてください。