スケールの知識5 ~7音階(ヘプタトニックスケール)~
スケール、コード、リズムなど、音楽は様々な技術や知識があります。
これらはすべて覚える必要があるのかと問えば決してそんなことはありません。
普段私たちが話している言葉。日本語の全てを覚えずとも話すことが出来るのと同様に、ギターも演奏する上で必要な知識と技術があれば十分なのです。今回はその中でも覚えておきたいスケール「フリジアンドミナントスケール」について解説していきます。
フリジアンドミナントスケールとはドミナントスケールの一種です。つまりドミナントコード上で使用するスケールということになるのですが、まずは「ドミナントコード」についてから簡単に説明をしていきましょう。
ドミナントコードとは響きが不安定で、響きが安定なトニックコードへ進行しようとするコードです。コードクォリティーは「○7」になります。
ドミナントコードが不安定な理由はコードトーンのM3とm7の二つの音にあります。M3は半音上に向かおうとする傾向があり、またm7は半音下に向かおうとする傾向があることでコードの響きが不安定になるのです。
ドミナントスケールはこのドミナントコードの不安定な要素であるM3とm7の二つの音が含まれていることが定義と言えます。
フリジアンドミナントの音並びは「R m2 M3 P4 P5 m6 m7」であり、M3とm7がふくまれていることからドミナント上で使用可能なドミナントスケールとなります。
フリジアンドミナントスケールはエスニックなメロディラインを作り出すことが可能で、スパニッシュ的な音楽にも非常に相性の良いスケールです。
また、フリジアンドミナントスケールはハーモニックマイナースケールの5番目の音を軸に並び替えたスケールでもあるため、HmP5↓(ハーモニックマイナー・パーフェクトフィフス・ビロウ・スケール)とも呼ばれます。
ハーモニックマイナースケールを既に覚えている方はフリジアンドミナントのスケールポジションも弾けるということになりますね。
以下、全12キーのフリジアンドミナントスケールの構成音です。ご参考下さい。
Aフリジアンドミナントスケール:A Bb C# D E F G
Eフリジアンドミナントスケール:E F G# A B C D
Bフリジアンドミナントスケール:B C D# E F# G A
F#フリジアンドミナントスケール:F# G A# B C# D E
C#フリジアンドミナントスケール:C# D E# F# G# A B
G#フリジアンドミナントスケール:G# A B# C# D# E F#
Dフリジアンドミナントスケール:D Eb F# G A Bb C
Gフリジアンドミナントスケール:G Ab B C D Eb F
Cフリジアンドミナントスケール:C Db E F G Ab Bb
Fフリジアンドミナントスケール:F Gb A Bb C Db Eb
Bbフリジアンドミナントスケール:Bb C D Eb F Gb Ab
Ebフリジアンドミナントスケール:Eb Fb G Ab Bb Cb Db