クラシックギタースタイル・トレモロ奏法
クラシックギターの名曲にも多く使われているトレモロ奏法。一本のギターで奏でられているとは思えない音色を出すことができます。マスターしたいと憧れている人も多いこの奏法は、正確でスピード感のあるピッキングをすることが大切です。各指の役割を理解し、動きをマスターすることが習得のカギになります。指の動きと役割について解説します。
親指=p 人差し指=i 中指=m 薬指=a
クラシックギターでは、右手の指でどの音を弾けば良いのかを示してくれる指記号というものがあります。指記号は親指から小指まで付けられており、スペイン語で各指を表す単語の頭文字が使われています。親指はプルガールのp、人差し指はインディセのi、中指はメディオのm、薬指はアヌラールのa、小指はチーコのchです。トレモロ奏法で使うのは親指、人指し指、中指、薬指ですので、それぞれの指記号であるp、i、m、aを覚えておくようにしましょう。
「p」の役割は低音。「i,m,a」の役割はトレモロ
トレモロ奏法とは、一つの音を小刻みに連続してピッキングすることで、音が長く伸びているように聞こえるという奏法です。親指、人差し指、中指、薬指を使って弾きますが、親指と他の3本の指では役割が大きく異なります。親指は低音弦を担当し、人差し指、中指、薬指で実際のトレモロになる部分を担当します。
ピッキングする指の順番は、低音の親指p、次に薬指のa、中指のm、最後に人差し指のiです。この時、低音のpをしっかりと鳴らすことはもちろん、後のi、m、aで鳴らす音の長さが均一でなければなりません。この3つの音の粒が揃うと、綺麗なトレモロになります。
※トレモロ部分を担当する人差し指、中指、薬指の練習時の注意ポイント
1弦上のみで練習を行うと無駄な動きが癖づいてしまうことがあります。2弦上で練習することで両隣の弦に指が当たらない無駄な動きの少ないピッキングフォームが身に付きやすくなりますので練習時の参考にしてみてください。
指を細かく、素早く動かすため、難しいと思われがちなトレモロ奏法。しかし、各指の役割や弦を弾く順番をしっかりと把握しておけば、練習を積むことで誰でも弾くことができるようになります。トレモロ奏法をマスターできると、演奏の幅がぐっと広がります。クラシックギターの有名な曲にもチャレンジできるようになりますので、指の役割と順番を意識して、ぜひ練習してみてください。