エフェクター紹介「Ibanez TS9」
ギターの音色を変化させる方法はたくさんありますが、最も明確な変化を与える方法は「エフェクター」を使うことです。ギター教室やエレキギターレッスンでは、エフェクターを使ってレッスンを行っています。
また、エレキベースレッスンに通う人も、エフェクターの用途や仕組みは同じですので是非覚えておきましょう。エフェクターで与えられる変化は「歪み」「揺らぎ」「エコー」など様々なものがあります。今回は「歪み」系のエフェクターとして代表的な「Ibanez TS9」を紹介したいと思います。
エフェクター紹介「Ibanez TS9」
「歪み」系のエフェクターはおおまかに「オーバードライヴ」「ディストーション」「ファズ」の3種類に分かれています。この中で最もスタンダードなものが「オーバードライヴ」で、太く暖かみがあり、クリーミーで滑らかな歪みを与えることができます。
「ディストーション」はオーバードライヴよりも硬質な、荒々しい歪みで、ハードロックやヘヴィメタなどのラウド系によく用いられます。「ファズ」は濁りが多く、潰れたような歪みを出し、歪み系のエフェクターの元祖とも言われています。音程が分からないほど歪ませるモデルもあります。
Ibanez TS9(以下TS9)は1982年に発売された歴史の古いエフェクターです。「オーバードライヴ」の代名詞的なエフェクターで、ブースターとしての価値もあり評価されています。
TS9は、ディストーションのような激しい歪みは得られませんが、独特の粘り感があり、芯(ミドル)寄りのサウンドを得ることができます。
ミドルレンジ(中音域)を効かせることで、ドラム、ベースと混ざって演奏した時にギターのサウンドを引き立ててくれます。歪んだバッキングや、ロングトーンでずっしりとしたリードを弾きたい時などに向いています。
また、前述の通りブースターとしても優秀です。どちらかというと控えめで素直な歪み方のため、中音域を持ち上げる特性を生かして、アンプで作った音を大きく歪ませることなくブーストし、アンプの歪みを活かして音量・音のパワーを上げることができます。
TS9の基本的な機能は3つで、「DRIVE」「TONE」「LEVEL」の3つのツマミがついています。「DRIVE」はアンプの「GAIN」と同じで、ギターやアンプから入力される音の信号の量を調節することで歪みの程度を変えることができます。
「TONE」は音質の調整で、音の硬さを決定します。「LEVEL」は最終的な音の出力レベルを調整し、音量を決定します。
TS9でなるべく音を歪ませたい場合は「DRIVE」を強くし、逆にアンプの歪みを生かしたまま音量を上げたい場合は、DRIVEは上げずに「LEVEL」だけを上げるなど、エフェクターとしても、ブースターとしても使える優秀な機種です。
TS9は歪み系のエフェクターとしてはもちろん、ブースターとしても評価が高く、ディストーションやファズなどの他の歪み系のエフェクターをTS9でブーストする、といった使い方もよくされます。こうしたアレンジを行うことで、自分だけの音、個性のある音を作り出せます。
多様な使い方ができるため、初心者にもおすすめのエフェクターといえるでしょう。