ギター上達法!その7(脱初心者~5)
横浜のギター教室でも教えている、左手のスムーズな運指技術の練習法を紹介します。滑らかで切れ目のないギター演奏に役立つクロマチック練習法を繰り返し行うことで無駄のない動きでスムーズな運指技術が身に付きます。正しい運指のエクササイズ法と練習時に大切なポイントを解説します。
脱初心者へのポイント「無駄のないスムーズな運指技術」
私が教えている横浜のギター教室で初心者の人にお話を聞くと、左手がなかなか思うように動かせないという生徒さんが多いです。
エレキギターでもアコースティックギターでも重要になってくるのが、「無駄な動きのない運指技術」を身に付けておくことです。
今回はスムーズに音を繋げて演奏するための、クロマチックを使った練習方法を紹介します。
両手を使った練習法で、毎回の練習の最初に2、3分取り入れると左手が自由に動くようになり、左手の指の一つひとつの独立性(薬指だけ動かすなど)も高くなっていきますので、ぜひ参考にしてください。
滑らかな運指が身に付くクロマチック練習法
レベル1
まずは、
6弦1フレット・人差し指(6/1) / 6弦2フレット・中指 (6/2)/ 6弦3フレット・薬指(6/3) / 6弦4フレット・小指(6/4)
とひとつずつ音を出して行きます。
この時右手のピックングはダウン・アップのオルタネイトピッキングで弾きます。
人差し指ダウン→中指アップ→薬指ダウン→小指アップとピッキングします。
6弦を小指まで弾いたら、5弦に移動して、5弦1フレット・人差し指(5/1)/5弦2フレット・中指(5/2)…と、また同じ動作をして6から1弦まで移動しながら弾いていきます。
6~1弦まで弾いたら、今度は逆に6弦から1弦まで戻りながら弾いていきましょう。
この練習法は、音が半音階ずつ上がっていくのでクロマチック練習と呼びます。6弦から1弦までが難しい場合は、初めは6弦から4弦までの往復を繰り返し、慣れたら1弦まで弾いてみましょう。また、1フレット~4フレットはフレット間の間隔が長いので、指を動かすのが難しい人は、5フレットくらいから始めてもよいです。
レベル2
基本の往復に慣れてきたら、今度は指の順番を逆にします。
6弦4フレット・小指(6/4) / 6弦3フレット・薬指 (6/3)/ 6弦2フレット・中指(6/2) / 6弦1フレット・人差し指(6/1)
→5弦4フレット・小指(5/4)/5弦3フレット・薬指 (5/3)…
という順番で、6弦から1弦まで、そして6弦まで戻る、を繰り返します。
レベル3
レベル1、2が慣れてきたら、次のレベルに進んでみましょう。
まずはレベル1の
6弦1フレット・人差し指(6/1) / 6弦2フレット・中指 (6/2)/ 6弦3フレット・薬指(6/3) / 6弦4フレット・小指(6/4)…これを1弦まで行います。
次に
1弦2フレット・人差し指(1/2) / 1弦3フレット・中指 (1/3)/ 1弦4フレット・薬指(1/4) / 1弦5フレット・小指(1/5)
と、人差し指の開始フレットを1つずらします。あとは同じように6弦から1弦まで弾いていき、
6弦5フレットの小指まで弾いたら、人差し指を6弦3フレットにずらして弾いていきます。
このようにフレットを上げながら、初めは人差し指5フレットくらいまでの往復を目標にしましょう。慣れたら12フレットくらいまで進んでもOKです。
開始フレットが変わるときは、常に手のフォームが一定になるよう4本の指だけでなく親指も一緒にずらす癖をつけましょう。常に手のフォームが一定になるように動かすくせをつける。フレットの移動の距離の感覚を掴むことで、ブロックのチェンジ、フォームチェンジの練習にもなります。
クロマチック練習時の左手の4つのポイント
練習時の1つ目のポイントは、ピッキング時に左手の無駄な動きを極力少なくするように心がけましょう。特に左手指は指版から外れやすいので指版上に指を待機するように気を付けながら練習しましょう。
2つ目は、弦を押さえる時に指をしっかりと竿に対して立てることです。指の関節をしっかり曲げてアーチを描く感じです。指が寝ていると、隣の弦に触れて次の音に影響してしまいます。特に小指は立てるのが難しいですが、関節をしっかり曲げることを意識して弦を押さえる癖をつけるとテンポが速くなってもスムーズに演奏ができるようになりますよ。
3つ目は、左手は手のひらを常に開いておくことです。手のひらが閉じていると、フレットが変わるときに手や指の移動が多くなってバタバタしてしまいます。手のひらを開いておき、1から4など各フレットの真上に4本の指が来ているのが理想です。
4つ目は、音がまばらにならないように注意することです。人差し指と中指は独立性が高いため音の粒が揃いやすいですが、薬指と小指は単独で動かしにくい指なので音が弱くなりタイミングがずれやすいです。初めはゆっくりでもリズムを一定に、同じ強さで音を出し続けることを意識しましょう。
今回は左手の運指と右手のピッキングを同時に練習できるクロマチック練習法を紹介しました。
基本は一定のテンポ・強さで全ての音を弾くことです。メトロノームを使いながら行うと、リズム感の練習にもなります。また、独立性の低い薬指と小指は特に、レガートに、綺麗に次にバトンを渡すような感じで音をつなげるように意識して練習することでスムーズに綺麗な音が出せるようになります。
自分のレベルや練習時間に合わせて始めてみてくださいね。