ネイルアタック
アコースティックギターを弾く際のテクニックの一つにネイルアタックというものがあります。
ネイルアタックは比較的新しい奏法テクニックで、打楽器的発想を取り入れた斬新な奏法です。ネイルアタックを使用するアーティストは2010年頃からギタリストの間で急激に増え、今後もさらに進化が想定される奏法です。今回はこのネイルアタックについて解説していきますので是非参考にしてみて下さい。
中指、薬指の爪を弦に当てるテクニック
ネイルアタックとは、弦に中指や薬指の爪を当てて音を出すアコースティックギターのテクニックです。実音と弦に爪を当てる音を同時に鳴らすことでパーカッシブな役割が可能になります。楽譜への表示方法はそれぞれ違っていますが、多くの場合には叩く弦に×印がつけられています。
基本的には効果音として使用されるものですが、ギタリストによってはリズムを一定に保つために使用している人もいます。上手く利用すると、曲の中でアクセントのような役割をすることもできメリハリを付けることが出来ます。
中指、薬指を親指の付け根に引っかけ、デコピンのように弾くのがコツ
フィンガーピッキングは、指を内側に曲げてピッキングすることが通常です。これに対し、ネイルアタックは指を外側に開く動作をピッキングにする珍しいスタイルです。この動作がピッキングとして確立しているジャンルは唯一フラメンコギターでしょう。
フラメンコギターも爪を弦に当てる音が混ざり合うことによってシャープなサウンドが生まれますが、爪を頻繁に弦に当てるため、瞬間接着剤等で爪を補強することが一般的です。
また爪を補強して固くすることでシャープかつ鋭いサウンドすることが可能ですので補強方法にこだわる方も非常に多いです。
ネイルアタックも同様に爪を瞬間接着剤等で固めたり付け爪をしてよりパーカッシブなサウンドを作り出すことが一般的です。
奏法方法は、中指か薬指、または両方の指を親指の付け根に引っ掛けて爪を弦に直角に当てるように弾きます。デコピンをするイメージで指を弦に当てましょう。
爪は弦に当てた後は弦を押さえつけない。弦に当てた跳ね返りを利用する
奏法のポイントについて、弦に爪を当てた際に弦を押さえつけてしまうと実音が鳴らずに爪が弦に当たるノイズ音だけになってしまいます。指が弦に当たったら指を押さえつけずに跳ね返すようにしてみて下さい。
ネイルアタックは特殊なアコースティックギター奏法ですが、他のパーカッシブテクニックやフラメンコギターの奏法と組み合わせることでより進化していくと考えられます。
ネイルアタックを含む特殊技法を専門的に指導するギター教室等の音楽教育機関は現在ところほぼないでしょう。つまりはギタリスト各人がこの奏法を独自で磨き、確立されていくものと考えられます。挑戦しがいのある奏法ですので興味のある方は是非トライしてみて下さい。