ギター上達法!その32(脱初心者~25)色々なジャンルを聴いてみよう12
ギター教室やエレキギターレッスン、エレキベースレッスンなどでギターやベースを練習していると、様々なジャンルの音楽に触れる機会が多くなってきます。ロックバンドを目指す人なら、一度はハードロックの重厚で激しい演奏に憧れたことがあるのではないでしょうか。今回はハードロックのルーツと音楽の特徴について解説したいと思います。
ハードロックを聴いてみよう
ハードロックは、19世紀後半にアメリカ南部で奴隷黒人のための黒人霊歌、フィールドハラー(農作業の際の叫び声)、労働歌(ワーク・ソング)が原点である「ブルース」から進化したものと言われています。
当初のブルースは悲しみや孤独感などをギターによる弾き語りで表現するものが多く、現状への抗議や不満を表し(プロテスト的歌詞)、かつコード進行が簡素で分かり易いという特徴がありました。こうした黒人が起源のブルースやR&Bに、白人音楽のカントリーが融合して、「ロックン・ロール」が生まれました。
この時代、世界各地で学生運動など政治的抗議活動が拡大しており、メッセージ性のある歌詞と直情的なラウド・サウンドのブルース・ロックは多くの若者に受け入れられます。1960年代になると、イギリスでブルース、ブルース・ロックブームが起こり、この時登場したバンド音楽がハードロックの原点と言われています。
ハードロックのサウンドや曲の特徴は、裏拍にアクセントを置いた跳ねた感じと、大音量で重厚感のあるサウンドと言えるでしょう。
また、オーバードライブやディストーションなど歪みのあるギターサウンド、ベースとドラムのユニゾン、曲の中盤や終盤の長いギターソロ、ボーカルのシャウトなど様々な特徴があります。
ハードロックというと激しくて騒々しい、というイメージを持つかもしれませんが、それにはルーツがあり、ハードロックは内に秘めた感情を外へ放出する、その表現として演奏やボーカルが激しくなりました。
1960年代~1970年代に登場したハードロックバンドやその曲は、激しさの中に苦悩や迷い、苦しみや哀愁などが表現されていて、今の時代に聞いても心を揺さぶられる名曲、名バンドが多いです。
ハードロックバンドが取り入れた歪みのあるサウンドや演奏方法は、今日も様々なバンドに受け継がれ、音楽シーンを発展させ続けています。
ハードロックが生まれた背景を知ることで、当時の歌詞やサウンドがひと味もふた味も深みが増して聞こえるでしょう。また、自分の演奏スタイルにも良い影響を与えてくれるかもしれません。