音楽で食べていくとは その4 安達たけし
安達たけし
結論:音楽家を志すための本質的な努力と思慮
4回に渡って書いてきた「音楽で食べていくとは」について、ついに最終回となりました。正直、このテーマに対する明確な答えを導き出すことは難しいでしょう。
しかしながら、私が思うところの結論を書くことで、多少なりとも志ある方々へプラスの影響があれば幸いです。具体的な姿勢や行動については前回までのエッセイを読んで頂き、ここでは根本的な本質について書いてみます。
ミュージシャンを志すという意味の本質は・・・
「それを実現するために必要な知識と技を習得、自分の求める音楽そのものを確固たる自信のもと生み出せる」ということです。
逆に「お金を稼ぎたい」「食べれるようになりたい」などは、ビジネス上の志であり、ミュージシャンを志すという意味での本質には成り得ません。
ミュージシャン像とビジネス像を切り離して考え、そして最初の衝動は常に「ミュージシャン像の探究」であることが重要です。
いくら「食べれるようになりたい!」と言っても、それに伴うミュージシャンとしての力が備わってなければ、それは実現不可能です。
たとえ、ミュージシャンとしての力が十分に備わっていたとしても、「食べれるようになるか?」と問われれば、そこには多分に運やタイミングなどの要素が盛り込まれるため、保証はできません。
ただし、ここで一つ明確に断言できることは、「ミュージシャン像の探究ができない人にビジネス像の探究は不可能である」ということです。
プラスのサイクルとは「ミュージシャン像→ビジネス像」の繰り返しの上に成り立ちます。
決してビジネス像の探究に溺れることなく、「ミュージシャン像の探究」という土台の上にビジネスが成立しているという姿勢を忘れずに努め、励んでください。